漆とガラスの酒器 片口|薄さ1mmの飲み口 包-TsuTsuMu- 脈×潤
¥115,500
包 -TsuTsuMu- 脈 [Myaku] (片口) × 潤(じゅん)
割れたガラスを、漆が包み、新たな美へと生まれ変わらせる。漆作家・武藤久由による、世界にひとつだけの片口です。
酒を、次の一杯へ。朱漆に、透明感あふれる琥珀色の漆を塗り重ねた、味わい豊かな片口。透けた漆が奥行きと柔らかさを生み、注ぐひとときをそっと特別なものへと変えてくれます。手に取るたび、心が静かに、そして瑞々しく潤(うるお)う。そんな器です。
「脈 [Myaku]」と名づけた片口の“カタチ”に、「潤(じゅん)」の“意匠(見た目)”をまとわせた一品。カタチと景色、ふたつの名が重なって、この器は生まれています。
■ 時とともに、色が澄んでいく
琥珀色の漆(透漆)は、徐々に透明度を増してゆきます。数ヶ月ほどをかけて、濃い色から明るい色へ——。お手元で過ごす日々が、器の表情を少しずつ変えていきます。漆ならではの「時の変化」を、ゆっくりと育てるようにお楽しみください。同じ景色は二度とない、生きた器です。
■ きらめきが、器から器へ移る
「包・刻 [Toki](ぐい呑み)」と合わせれば、お酒を注ぐたびに、片口の中のきらめきが、まるでぐい呑みのきらめきへと移ってゆくよう。とろける琥珀色をたたえたこの片口から、ひとしずくが注がれるたび、日本酒を味わう時間がいっそう豊かなものになります。
■ 唇が触れた瞬間、器が消える ——「コア漆」という技法
「包」は、ガラスに漆を塗った器ではありません。漆そのものを25回以上塗り重ね、カタチを成しています。
「コア漆」とは、漆だけで芯(コア)となる構造体をつくり、そこにガラスをはじめとする異素材を一体化させる、武藤久由ならではの独自の特許技法です。通常、漆器は木やガラス、金属などの「芯」を必要としますが、「コア漆」は芯を持たず、漆だけで器を成形します。漆はもはや「表面を覆う塗膜」ではなく、器そのものを支える骨格そのもの。漆だけを塗り重ねた縁は、約1mmの薄さ。だからこそ、異なる素材が分かちがたく結ばれ、ひとつの姿として在り続けます。
ガラスの凹凸と漆のしっとりとした質感が、手のひらに心地よくなじみます。自分にあった持ち方を見つけることも、この器の楽しみのひとつです。
■ カタチの名「脈 [Myaku]」 〜命の奔流を、次の一杯へと送り出す〜
「脈 [Myaku]」は、この片口という“カタチ”に与えられた名です。器から器へ、酒を注ぐ。その動的な流れを、身体を巡る「血脈」として捉えました。注がれる酒は、再構築された漆の注ぎ口を通り、生命を宿す一滴へと昇華されます。
■ 意匠の名「潤(じゅん)の景」 〜瑞々しく、包み込む麗しさ〜
「潤(じゅん)」は、器の表面を彩る“意匠(見た目)”の名。朱漆の上に塗り重ねた透け漆が、とろけるような透明感を湛えるこの景色を、私たちは「潤の景」と呼んでいます。ガラスの断片を優しく飲み込み、慈しむように包み込むその色合いは、使う人の心に深く、静かに寄り添います。掌に吸い付くような潤いと、たおやかな安らぎ。手に取るたびに心がほどける、抱擁の景色です。
大切な節目のお祝いに、お世話になったあの人へ、あるいは頑張った自分へのご褒美に。心からの想いを伝えたい——そんな大切な方に、記憶に残る一品を贈ってみませんか。
■ 刹那と悠久 ——稀に宿る「烈(れつ)」
漆は、9,000年前の縄文遺跡から発掘されるほど、長くその形を保ちます。漆は「悠久」の時を内包しているのです。一方、ガラスの破片は、割れた瞬間の「刹那」を宿しています。
ガラスを割るとき、ごくまれにその表面に走る亀裂を、私たちは「烈(れつ)」と呼びます。ほとんどの器に烈はありません。けれど、ごく浅い烈をたたえた破片に出会えたとき、私たちはそれを敢えて選び、器に留めることがあります。それは、割れたその一瞬の「刹那」を、そのまま閉じ込めるため。
もしあなたの一品に烈が宿っていたなら、それは数少ない巡り合わせ。ガラスと漆の融合が、刹那から悠久へと続く時間そのものを、より深く物語ってくれるはずです。
※破損のおそれがある破片は使用しません。すべての器は、ガラス破片の周りを漆で固め、表面にコーティングを施しています。烈のある器も、これにより亀裂の進行を抑えています。
■ 仕様
縦:8.5cm / 横:9.5cm / 高さ:9cm / 容量:240ml
※一点一点手作りのため、ガラス破片の形や見た目はすべて異なります。世界にひとつだけの表情としてお楽しみください。
漆作家 武藤久由
Brand site: https://urushimuto.com













