包 [タンブラー ] 舞 ⅱ
¥99,000
包の新シリーズ「舞」
黒漆と青漆を宙に舞わせ、その軌跡で描きました。
30年前、仏壇の漆塗り職人として漆と向き合い始め、
常に漆のご機嫌を伺いながら、漆塗りの腕を磨き製作をしてきました。
そもそも漆って何かに塗ることしかできないんだっけ?
そんな疑問から、漆は塗料として何かに塗るものという常識を覆し、
漆に漆を塗ることで、漆だけのカタチを生み出しました。
漆そのもので存在するカタチ。
漆だけで自立したカタチの中に、異素材であるガラス破片を包み込ませたのが「包」です。
漆そのものとガラス破片を融合させることで、お互いが持つ特徴を高め合っています。
さらに、
木の中を流れている樹液だった漆は、本当はどうしたいんだったっけ?
と考え、一つの答えとして、
「漆は、ずっと自由に動いていたかった」
と思いました。
なのに、僕の手によって、漆の意思とは無関係に僕の思うカタチにしてしまっている。
だから、僕のコントロールを離れ、ほんの一瞬でも漆に漆の意思で自由に動いてほしかった。
そのために、漆を刷毛で塗るのではなく、糸を引くように舞わせました。
そして舞い降りました。
舞い降りた漆は、どれも生き生きとした線を描いています。
舞い降りた漆の厚みもさまざま。
刷毛で塗るように漆の厚みをコントロールすることはできないからです。
厚い部分はチヂミという現象が起きています。
(漆は湿気により硬化するので、厚すぎると現れるグチャグチャとしたテクスチャ)
チヂミは漆の世界では失敗とされています。
でもそれは人間にとってのことで、漆にとっては自然なこと。
そこには、漆の生命、漆の生々しさがあります。
漆は、色ごとに数回に分けて舞わせてました。
一度ずつ漆を硬化させているので、舞った漆は混ざることはなく積み重なっています。
その生き生きとした漆を目だけでなく、指先でも感じてください。
直径:75mm
高さ:80mm
容量:200ml
※一点一点手作りです。