漆とガラスの酒器 ワイングラス530ml|薄さ1mmの飲み口 包-TsuTsuMu- 澪×潤
¥330,000 ($2,103.59)
包 -TsuTsuMu- 澪 [Mio] (ワイングラス) 530ml × 潤(じゅん)
割れたガラスを、漆が包み、新たな美へと生まれ変わらせる。
漆作家・武藤久由による、世界にひとつだけのワイングラスです。
漆とガラスが融合した酒器『包 -TsuTsuMu-』の、ワイングラス。酒が器の縁に描く、ひとすじの跡に由来する「澪 [Mio]」という“カタチ”に、「潤(じゅん)」の“意匠(見た目)”をまとわせた一品。手に取るたび、心が静かに、そして瑞々しく潤(うるお)う。ふたつの名が重なって、この器は生まれています。
■ 唇が触れた瞬間、器が消える ——「コア漆」という特許技法
「包」は、ガラスに漆を塗った器ではありません。また、金継ぎでもありません。ガラス破片以外のすべてを、漆だけで構築しています。漆そのものを25回以上塗り重ね、芯から漆の構造体としてカタチを成しています。
通常、漆器は木やガラス、金属などの「芯」を必要とします。けれど「コア漆」は、漆だけで芯(コア)となる構造体をつくり、その漆の構造体でガラス破片を包み込む——武藤久由ならではの独自の特許技法です。漆はもはや「表面を覆う塗膜」ではなく、器そのものを支える骨格そのもの。漆だけの飲み口は、わずか1mmの薄さ。見た目を裏切る軽やかさと、しっとり優しい口当たりです。
唇に触れた瞬間、器の存在は静かに消え、ただワインの味わいだけが純粋に際立ちます。
ガラスの割れ方、破片の形に、同じものは二つとありません。それぞれが、唯一無二のワイングラスになります。
■ カタチの名「澪 [Mio]」 〜静かに流れる、美しき跡〜
「澪 [Mio]」は、このワイングラスという“カタチ”に与えられた名です。グラスを回したとき、器の縁を伝って静かに流れ落ちるひとしずくの酒——その滴が描くひとすじの跡を、「澪」という名に込めました。注ぎ、回し、香りを立て、口に運ぶ。その所作のひとつひとつに宿る静かな跡を、心ゆくまでお楽しみください。
■ 意匠の名「潤(じゅん)の景」 〜瑞々しく、包み込む麗しさ〜
「潤(じゅん)」は、器の表面を彩る“意匠(見た目)”の名。朱漆の上に塗り重ねた透け漆が、とろけるような透明感を湛えるこの景色を、私は「潤の景」と呼んでいます。ガラスの断片を優しく飲み込み、慈しむように包み込むその色合いは、使う人の心に深く、静かに寄り添います。掌に吸い付くような潤いと、たおやかな安らぎ。手に取るたびに心がほどける、抱擁の景色です。
なお琥珀色の漆(透漆)は、数ヶ月ほどをかけて徐々に透明度を増し、濃い色から明るい色へと表情を変えてゆきます。漆ならではの「時の変化」を、ゆっくりと育てるようにお楽しみください。
大切な節目のお祝いに、お世話になったあの人へ、あるいは頑張った自分へのご褒美に。心からの想いを伝えたい——そんな大切な方に、記憶に残る一品を贈ってみませんか。
■「入(にゅう)」について
ワイングラス「澪」・ブランデーグラス「韻」は、飲み口が窄まった雫型です。
そのグラマラスな形状ゆえに、漆の部分には、より生々しい生命感が宿ります。
この形は、既存の『包 -TsuTsuMu-』シリーズと大きく異なる点です。ガラスの破片を漆だけの躯体で一体化させる構造は同じですが、雫型ゆえに、制作工程は格段に複雑になりました。加えて澪は、既存のシリーズに比べてガラスが大きく、そして薄い。
制作では漆を塗るだけでなく、研ぎの作業もあります。日常の使用では決して加わることのない力が、何度も器にかかります。3ヶ月以上に及ぶ工程のなかで、ガラスに割れが生じる可能性は、十分に考えられました。
実際、本作に先立つ試作で割れました。
ひびを繋ぎ、そのまま制作を続け、完成した姿を目にしたとき、自問しました。
これは失敗なのか、と。
そもそも『包 -TsuTsuMu-』は、木地に漆を塗り重ねる従来の漆器ではありません。偶然生まれる破片の形を求めて、はじめにガラス器をあえて割り、その破片を漆だけの躯体の中に包み込んだ器です。
その後の工程で、あえて割ることはしません。
けれど、割れることはある。
それもまた、制作のなかで起きた変化であり、工程の軌跡です。
だから本作の制作にあたり、決めていたことがあります。
割れたときは、隠さない。繋いだその線に沿って、漆で線を描き、景色とする。
そして実際に、それは起こりました。(写真のガラス面を走る黒い線が、その部分です)
この線を、私は「入(にゅう)」と呼んでいます。陶磁器で細いひびを指す言葉を借りました。かの世界では疵とされるものですが、この器においては景色です。「この器には入がある」「この器に入はない」。そう呼び分けています。
『包 -TsuTsuMu-』は、割ることから始まる器です。
そして制作の中で生まれた変化もまた、隠すのではなく、その器が過ごした時間として残していく。
「入」は、意図して生み出すものではありません。
制作の中で偶然生まれるものであり、入のある器もあれば、ない器もあります。
どちらかが優れているということではなく、それぞれが、その器にしかない完成の姿です。
漆を25回以上重ねた時間の積み重ねと同じように、「入」が生まれた器では、その線もまた、完成までに刻まれた軌跡のひとつとして受け取っていただけたら嬉しく思います。
※入は、すべての器に見られるものではありません。
■ 各個体について
a:ガラス面に漆の線(入)が1本
c:ガラス面に漆の線(入)が1本
※表示価格は1点の価格です。
■ 仕様
高さ:22cm / 最大径:9cm / 口径:6.5cm / 容量:530ml
※桐箱に納めてお届けいたします。
※一点一点手作りのため、ガラス破片の形や見た目はすべて異なります。世界にひとつだけの表情としてお楽しみください。
■ 取り扱いについて
漆とガラスでできた、繊細な器です。永くお使いいただくために、いくつかのお願いがございます。
【お手入れ】
・使用後は、柔らかめのスポンジと台所用中性洗剤で、やさしい気持ちで手洗いしてください。
・食器洗い乾燥機(食洗機)はご使用になれません。
・他の食器とぶつかると傷の原因になりますので、接触を避けて洗い、保管してください。
【飲み物について】
・電子レンジはご使用になれません。
・熱い飲み物にはご使用になれません。常温から冷たい飲み物に適した器です。
【保管について】
・漆は紫外線を苦手とします。直射日光の当たる場所での保管は、お控えください。
手をかけた分だけ、器は静かに応えてくれます。どうぞ末永く、お手元の一杯とともにお過ごしください。
漆作家 武藤久由
Brand site: https://urushimuto.com
発送予定:2026年10月1日 から順次発送







































